笑って亡くなったMさんの話②

安否確認に行き、そこで見たものは大量のハエと虫。

電気は真っ暗で水も止まっています。

Mさんはやせこけ、「電気がつかないんだけど故障かな?水も出ないから公園まで水を汲みに行って大変だったよ。」と言いました。

(ああ、認知がきているな。)

包括支援センターに連絡し、Mさんを車に乗せ、コンビニでお金をおろし水道と電気代を支払い、家賃をもらいました。

水道が止まるなんて、トイレはどうしていたのか。

部屋に戻ってよく見るとバケツに赤黒い布が…赤黒い?

それは血尿でした。

後から聞いた話ですがガンは一年前からわかっていたそうで、年金が少なく病院代がないので治療を途中でやめていました。

入院したMさんはお見舞いに行くたび、

「大家さん、いつもありがとう」と言い笑顔を見せてくれていました。

痛いはずなのに、いつも笑顔でした。

やがて意識が遠のき、食事も取れなくなりましたが、行くたび目を開けて笑顔で「大家さんだ。ありがとう」

大好きなお母さんの話やふるさとの福島の話をたくさんしたね。

いつもお散歩がてらおやつを買ってきてくれてありがとうね。

楽しい時間をありがとうね。

さようなら。

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